■これまでで一番感動したことは何ですか?───

組織(石川フットボールクラブの)が出来る前にボランティアとして携わっていたことがあって。その時に、近くで成功事例ということになると、アルビレックス新潟というチームがお手本になるかなぁと考えていて、新潟に視察にお邪魔させていただいたんですね。その時は私も、ボランティアの一員としてホームゲームを観戦させてもらったんですけど、「ビックスワン」というスタジアムが本当に4万人入ってるんですよ! 新潟の奇跡って言われてましてね、あの街の人たちがこぞって地元のチームを応援してるっていうのを聞いてたんですね。本当にそうだろうかって実際観に行ったら、試合が始まる2時間前からおじいちゃんとお孫さんが、オレンジのアルビレックスのチームカラーのユニフォームを着て、一緒に手をつないでスタジアムに入っていくんです。それで、4万人入るスタジアムが、どんどんオレンジ一色になって。ゴール裏のサポーターさんたちがいろいろ応援を始めるわけですね。その声を聞いた時に、もう鳥肌が立ちましたね。新潟っていう地名をコールして、自分たちのチームを応援するっていうのはこういうことなんだな、とそこで教えてもらって。これは石川の人たちにも伝えてあげなきゃいけないなと思って、それから活動にのめり込みはじめたんですね。
一時期、金沢市の嘱託職員をやらせてもらったり、企業誘致の助成制度を作るお手伝いなんかもさせてもらっていたこともあって、中心市街地の活性化にすごい興味を持っていて。最初は、街中でフットサルのビジネスをやりたかったんですね。それをやろうとしていた時に、石川県のサッカー界の第一人者である星稜高校サッカー部監督の河崎護(ツエゲーン金沢・テクニカルディレクター)に会って、石川フットボールクラブの構想を聞いたのが一番最初でしたね。サッカー自体に興味があったというよりは、街を活性化させていきたいという気持ちしかありませんでした。だから僕は、これはサッカーの事業じゃなくて、半分公共事業だと思ってるんですね。誰かのものであってはいけないし、必ずみなさんのものじゃなければいけないと思っているので。スタジアムでいい雰囲気でプレイが出来れば、お客さんがまた観に行こうってなりますよね。そしたらどんどんスタジアムがいっぱいになって。それを見たスポンサーとかステイクホルダーの方々が、「石川県でもこんな文化ができるんだ」って必ずグッドサイクルになるはずなんですよ。今まで、石川県にはスポーツの文化っていうのがほとんどないんです。だから、石川県にスポーツ文化を作って地域に貢献することが僕たちのミッションだと思っています。

■あなたにとっての“感動”とは何ですか?───

ちょっと見方を変えると、感動はやっぱり、それを知ってる人が知らない人に伝えてあげなきゃいけないものだと思いますね。知らなかったら、感動って受けられないじゃないですか。例えば、僕が新潟に行って感動した。それを、石川県でも絶対できるはずだからって思ったし、震える体験とか鳥肌が立つような雰囲気を味わってほしい、味わわせてあげたいと思ったんですよ。だから、その感動を伝えるために、自分で何ができるか。こういう立場になった今では、そういう風に思っています。

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元々、石川県の出身ではないにも関わらず、サッカーというスポーツを通してなんとかこの街を盛り上げていきたいという中村篤次郎さん。チームを強くするよりもまず、スタジアムをいっぱいにしたい、みんなに試合を見てもらいたいと熱く語っていました。(by 編集部)
プロフィール
中村篤次郎(なかむらあつお)さん
石川フットボールクラブ ゼネラルマネージャー

1970年生まれ。大阪府出身。
昨季からサッカー北信越リーグに参戦した「ツエーゲン金沢」を運営する「石川フットボールクラブ」の設立メンバーであり、現在はゼネラルマネージャーを務める。「石川からJリーグへ、石川から世界へ」を合言葉に、石川県にJリーグチームを作ることを目指して活動する。4月8日より開催される北信越フットボールリーグ戦に向けて日々奔走中。
>>> ツエーゲン金沢 オフィシャルサイト


更新日:2007年3月27日(火)


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